幹線道路や生活道路の交通安全を図るうえで、例えば現地の事故要因が複雑なため有効な対策の立案が難しいといった計画段階の現場の声や、対策を施したものの事故が減少せずその訳を知りたいといった供用後の現場の声に対しては、道路安全診断が一助になる。道路安全診断では、診断チームが、データ分析と現地踏査に基づき事故要因を特定して道路管理者と交通管理者に助言するとともに、対策を決める道路管理者と交通管理者の協議や調整を支援する。これまでは、事務所内で事前にデータを分析し、現地にその資料を持ち込んで踏査して事故要因を特定するというやり方が見られたが、このやり方だと、事前に用意した分析結果以外の分析が現地で必要になった場合、例えば、裏道等の現地周辺の事故リスクの分析又は現地から周辺の商業施設までの動線上の事故リスクの分析などが必要になった場合、事務所に戻ってデータを分析し直さなければならないことがある。これらの場合も含め診断書作成までも現地で対応できるモバイル端末があると便利である。そこで、冬期の使用にも耐えるパナソニック製タフパットを使い、道路安全診断支援ツールの試作品を開発したので、その代表的な機能について報告する。 |