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発表 東南極リュツォホルム湾海底堆積物から復元した最終氷期以降の氷床後退過程

作成年度 2021年度
論文名 東南極リュツォホルム湾海底堆積物から復元した最終氷期以降の氷床後退過程
論文名(和訳)
論文副題
発表会 日本地質学会第128年学術大会
誌名(No./号数)
発表年月日 2021/09/06
所属研究室/機関名 著者名(英名)
国立極地研究所菅沼 悠介(SUGANUMA Yusuke)
産業技術総合研究所羽田 裕貴(HANEDA Yuki)
産業技術総合研究所板木 拓也(ITAKI Takuya)
国立極地研究所石輪 健樹(ISHIWA Takeshige)
国立極地研究所藤井 昌和(FUJII Masakazu)
高知大学海洋コア研究センター加藤 悠爾(KATO Yuji)
東京大学大森 貴之(OMORI Takayuki)
防災地質チーム川又基人(KAWAMATA Moto)
抄録
近年,衛星観測などによって南極氷床の融解や流出の加速が相次いで報告され,近い将来の急激な海水準上昇が社会的に強く懸念されている.最近の気候・氷床モデルシミュレーションによると,近年融解が加速している西南極氷床のみならず,西南極氷床より1桁大きな体積をもつ東南極氷床の一部も温暖化に敏感であることが指摘されている.しかし,南極氷床の質量収支は,氷床表面での涵養と消耗のみでなく,氷床沿岸でおきる棚氷の底面融解や氷床からの分離も含むため,そのメカニズムの理解と定量的な観測は容易ではなく,気候変 動予測精度向上における課題となっている.一方,南極大陸やその周辺の海底堆積物は採取が困難であり,また断片的ではあるとはいえ,過去の南極氷床変動を復元するために極めて貴重な情報を提供する.こういった情報を集積・解析することで過去の気候変動に対する南極氷床の応答の復元できれば,南極氷床融解メカニズムの理解だけでなく,その知見を将来の気候変動の予測に利用することもできる.そこで我々は,砕氷船しらせによって東南極リュツォホルム湾から新たに採取された海底堆積物試料と,既存レガシーコアを解析・分析 し,最終氷期における最大氷床拡大域と完新世におきた急激な東南極氷床融解過程の復元と,そのメカニズムについての考察を進めている.現状では海底堆積物の年代制約に課題があるものの,当該地域における氷床融解過程とそのメカニズムについて得られた新たな知見について報告する.
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