上ノ国町大留交差点は、交通事故被害軽減及び同町のまちづくりに寄与する観点から、ラウンドアバウトに改良され、2019年10月より運用されている。同ラウンドアバウトの中央島は、平坦な舗装構造で整備された。2020年9月~2021年3月までの7ヶ月間、同中央島に中央部高さ1.2mの緑化盛土を仮設し、ドライバーの視線挙動と運転挙動の変化を調査した。被験者ドライバーの参加により、ラウンドアバウト流入時の視線挙動と運転挙動を計測した。
被験者の視線計測による注視データを重ねたヒートマップ及び興味関心領域(AOI)分析の結果から、中央島に緑化盛土を仮設したときは、環道右側からの車両への注視が集中する傾向が見られた。また、流入時の運転挙動の計測からは、中央島に緑化盛土を仮設したときは、流入部(ゆずれ線から手前10mの位置)で、減速傾向が明確に見られた。本実験結果から、中央島に緑化盛土を設置することは、ラウンドアバウトへの流入時におけるドライバーの適切な注視方向と車両の速度低減を促すことが確認された。幹線機能を有する道路にラウンドアバウトを設置する場合、安全性向上のために、中央島の緑化盛土構造は効果を発揮することが示された。 |