石狩川下流域の治水対策として北村遊水地が整備されている。北村遊水地の堤防は、河川の掘削工事で発生する土砂により施工されることが多いが、石狩川河道掘削の工事で発生する土砂は、トラフィカビリティが確保できないほど軟弱で、そのままの状態では堤防盛土として使用することができない。この対策のひとつとして、発生土にセメントや生石灰などの固化材を混合することにより改良して盛土材とする方法がある。北村遊水地の堤防施工箇所は、泥炭が広範囲にしかも厚く堆積している軟弱地盤である。この地盤に固化材混合による改良で固化が進んだ堤防盛土を施工すると時間の経過とともに沈下変形し、地盤の変形に追随できず、堤防にひび割れが発生し、漏水することにより破堤にいたることが懸念される。そこで、北村遊水地整備事業では、地盤改良とあわせて軟弱な発生土に固化材を混合しても強度発現が比較的小さいとされる固化破砕土により堤防盛土を施工している。
北村遊水地整備事業では、固化破砕土による堤防施工に際し、試験盛土を行い、この結果に基づき堤防を施工してきた。この試験盛土の施工から3年が経過して、盛土内の地盤工学的性質を調べる機会を得た。また、固化破砕土で施工した盛土について、再利用することを想定して、3年前に施工した試験盛土の一部を再度破砕して締固めた材料についてその強度特性を調べた。本報告はその結果をまとめたものである。 |