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 北海道志海苔漁港及び周辺環境における有害有毒藻類 に対する増殖抑制細菌の分布

作成年度 2022年度
論文名 北海道志海苔漁港及び周辺環境における有害有毒藻類 に対する増殖抑制細菌の分布
論文名(和訳)
論文副題
発表会
誌名(No./号数) 寒地土木研究所月報 第841号
発表年月日 2023/03/10
所属研究室/機関名 著者名(英名)
水産土木チーム稲葉 信晴(INABA Nobuharu)
北海道大学大学院 水産科学院児玉 敢(KODAMA Isamu)
水産研究・教育機構 水産技術研究所 環境・応用部門 沿岸生態システム部 主幹研究員長井 敏(NAGAI Satoshi)
水産土木チーム森 健二(MORI Kenji)
北海道大学 名誉教授 琵琶湖博物館 特別研究員 農学博士今井 一郎(IMAI Ichiro)
抄録
本研究では北海道志海苔漁港内や周辺の異なる環境中における有害有毒藻類3種(Alexandrium catenella, Karenia mikimotoi 及びHeterosigma akashiwo)を殺滅あるいは増殖を抑制する細菌(増殖抑制細菌: GLB)の分布について調 査した。その結果、漁港周辺の藻場に繁茂した緑藻アナアオサや紅藻ツノマタ、フクロフノリのバイオフィルムから麻痺性貝毒の原因藻類A. catenellaに対するGLBが105 ~107 CFU g-1wet weightと高密度で検出され、藻場周辺の海底泥と礫上のバイオフィルムからもA. catenellaに対する活性を持ったGLBが海藻に準ずる密度で検出された。また、漁港内については、海底泥からA. catenella及び有害ラフィド藻H. akashiwoのGLBが1g当たり104 CFUのオーダーで見出された。漁港及び藻場の海水からは対象とした有害有毒藻類3種に対する活性を持ったGLBが102 ~103CFU mL-1の密度で検出された。一方で、海藻が自生しない砂浜海岸では、海水及び海底泥のどちらからもGLBは検出されなかった。本研究より、海藻が自生する環境(藻場)では、海底基質など周辺環境中にもGLBが広がり分布する事が明らかとなった事から、今後は海藻以外の基質についても視野を広げた上で藻場の有害有毒藻類ブルーム発生抑制機能について評価する事が重要である事が示唆された。
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