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論文投稿 フェムト秒パルスレーザーを利用したPDMSの超撥水性と氷柱の形成抑制について

作成年度 2023年度
論文名 フェムト秒パルスレーザーを利用したPDMSの超撥水性と氷柱の形成抑制について
論文名(和訳)
論文副題
発表会 日本雪氷学会
誌名(No./号数) 雪氷
発表年月日 2023/11/01 ~ 2023/11/30
所属研究室/機関名 著者名(英名)
雪氷チーム櫻井 俊光(SAKURAI Toshimitsu)
レーザー技術総合研究所染川 智弘(SOMEKAWA Toshihiro)
公立千歳科学技術大学平井 悠司(HIRAI Yuji)
雪氷チーム松下 拓樹(MATSUSHITA Hiroki)
抄録
道路インフラの上部構造等に付着した氷雪や氷柱(つらら)が道路に落下すると,通行車両等に被害を及ぼす可能性がある.それを防ぐ対策に雪や氷が付着しにくい塗布材料が利用されることがある.しかし,長くても数年に1回の塗り替えが必要になるなど,耐久性の面で課題が残されている.本研究では,耐久性を有する対策として超撥水性PDMS(poly-dimethylsiloxane)を利用した防氷技術,中でも氷柱の形成を抑制する技術の開発を目的とした.フェムト秒パルスレーザーをステンレスに照射し掃引するとステンレス表面に多重微細凹凸構造が形成される.これを鋳型とし熱架橋によりPDMSに多重微細凹凸構造を転写すると,水の接触角162.4 ± 2.9 °,転落角3.0 ± 0.8 °の超撥水性が付与された.融雪水の再凍結による道路インフラへの氷柱の形成を想定し,0.8 ± 0.6 °Cの水滴を−11.9 ± 2°Cの低温環境で超撥水性PDMS表面に連続的に滴下し, 強制的に氷柱を形成させる室内実験を実施した.その結果,水滴は超撥水性PDMSを即座に転がり落ちるため,氷や氷柱の形成を抑制する可能性が示された.ただし,超撥水性PDMS表面にも水滴が凍結する現象が確認されたことから,多重微細凹凸構造を有する超撥水表面は一定の氷柱形成の抑制効果はあるものの,完全な防氷効果を有するわけではないことも明らかになった.
 https://doi.org/10.5331/seppyo.85.6_327
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