冬期道路管理の効率的な実施やスリップ事故の抑制等を実現する上で、路面すべりやすさを把握することは重要である。しかしながら、従来の路面すべりやすさを計測する装置は高価・複雑であり、安価かつ簡単に路面すべりやすさを計測する手法が必要とされている。そこで本研究では、複数種類のデータを入力値とすることが可能なマルチモーダルAIにより路面画像と時刻情報から多様な路面雪氷状態における路面すべり摩擦係数を推定する手法を開発した。
本研究では、連続路面すべり抵抗測定装置とドライブレコーダーを取り付けた車両により路面すべり計測値、撮影時刻と路面画像を収集し、得られたデータを基にマルチモーダルAIの訓練を行うことで、路面画像と昼夜判別値を入力値、路面すべり摩擦係数出力値とする路面すべり摩擦推定マルチモーダルAIを作成した。
また、作成した路面すべり摩擦推定マルチモーダルAIを用いて薄いシャーベット路面やブラックアイスバーンなどを含む多様な条件下における路面すべり摩擦係数の推定精度を確認した。その結果,路面すべり摩擦係数の推定誤差(RMSE)は0.12程度であり、既存の光学式路面センサに匹敵する精度で多様な路面雪氷条件下における路面すべり摩擦係数を推定できることを確認した。 |