| 近年建設リサイクルに関する取り組みが重要性を増しており、建設現場で発生した土材料(建設発生土)についても有効利用が求められている。建設発生土のうちそのままの状態で盛土や埋め戻しなどの建設工事で使用できる材料であれば有効利用できるが、強度が低い土材料は改良しなければ有効利用できない。北海道は、積雪寒冷地であり施工期間が限定されることから、いくつかの方法のうち、固化材改良した材料により施工する事例が多い。しかし、固化材改良する方法は、確実な改良ができるものの、固化材の価格が大きいため費用が大きくなること、改良した材料の強度が大きくなり過ぎて再掘削ができないことなどの課題もある。また、軟弱地盤上に固化材改良した材料で土構造物を構築すると地盤の沈下に追随できず、土構造物にひび割れが発生した場合があった。
筆者らはこれまで、上記の課題に対応すべく、強度が低い土材料(以降不良土と称する)に固化材を混合した際に、強度発現途中の混合土(以降固化土と称する)を破砕することで発現強度を抑制し、さらに施工しやすい土砂の状態とすることができる「固化破砕土」への改良を検討してきた。本文では、不良土を固化破砕土として有効利用した事例として、国土交通省北海道開発局札幌開発建設部で施工している北村遊水地事業での堤防施工を紹介する。
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