| 北海道のような積雪寒冷地にある切土法面・斜面では,凍結融解による表層地盤の脆弱化や,表層地盤の凍上と融解沈下,さらに融雪水や降雨の影響による切土法面・斜面崩壊が数多く発生している.地盤調査および地盤材料試験は,凍上対策の要否を決定する極めて重要なものである.また,凍上の可能性のある法面では,凍上量,凍結深さ,積雪,凍上力などについて現地計測し,対策工法の選定等に反映することが必要となる.凍上量の現地計測は,変位計を設置しデータロガー等に計測値を記録する方法や,計測箇所にターゲットを設置し,トータルステーション(以降,TS)によって測量する方法,レベル測量によって基準点との相対的な高低差をとらえるのが一般的である.しかし,これらの方法の課題として,計測器設置時または測量時に切土法面・斜面での作業が必要なことによる作業時の安全性や,面的なデータの取得が困難であることが挙げられ
る.そこで,本研究では,公共測量において使用が拡大しているUAV 写真測量(以降,UAV)や LidarSLAM 機器(以降,Lidar)による測量に着目し,高い凍上性を有する切土法面において実施した測量結果から,切土法面・斜面の面的な凍上量および変状把握への活用について検討した. |