| 木コンクリート橋とは、日中戦争下の鋼材不足を乗り切るために北海道庁土木部試験室で開発された「木桁と無筋コンクリート床版の死活合成桁構造」である。板橋(木床版)に比べて遥かに強度があり、コンクリート床版が雨水を遮断するので耐久性にも優れ、1939年から1967年頃まで北海道開発局の所管だけでも約350橋が建設された。
その後、この橋種は次第に永久橋に更新され、現存するのは5橋だけと認識されていたが、ここ数年間に、北海道内外で現存する橋が新たに見つかり、当時広く技術移転が図られていたことがわかった。ただし、死活合成桁であることが現在の管理者によく理解されておらず、維持管理上の課題があることも明らかになった。
以上から、筆者らは、木コンクリート橋の技術的特徴と価値を改めて取りまとめ、まずはわが国の橋梁技術者に
点検・診断・維持管理上の注意喚起を行おうと考えるに至った。また、廃道が予定されている路線にある木コンク
リート橋の残存強度等を調査し、このノンメタル構造の特性を現代の視点で再評価するとともに、桁の再利用と、
国際協力への展望を考察することとした。本稿は、その端緒として著者らが雑誌「橋梁と基礎」2026年1月号にま
とめた内容を再掲・時点修正し、紹介するものである。 |