積雪寒冷地である北海道特有の港湾構造物の被災現象として、地震等によりエプロン舗装下に液状化現象が発生した場合、液状化後の過剰間隙水の上昇と冬期間における凍結融解の影響によって、地震直後ではなく越冬した後にエプロン舗装に被害が拡大する場合が想定される。このような場合、雪解け後の春に岸壁背後の舗装が陥没するという危険性が想定されることから、液状化が発生した舗装の越冬実験を現地スケールで行い、被害発生メカニズムの確認を行うことが必要である。今年度、(独)港湾空港技術研究所が、平成13年度に続いて北海道内で2度目となる液状化の実物実験を石狩湾新港埋立地において実施することとなった。そこで、この試験フィールド及び液状化現象を利用して、液状化未実施箇所における地盤の液状化と凍結融解によるエプロン舗装への影響を把握し、寒冷地である北海道における港湾施設の被災メカニズムの解明に関する基礎データを取得するための現地実験を行った。本報告では、この実大試験フィールドを用いた試験方法及び調査項目、試験エプロン舗装体の概要を述べたうえで、発破による液状化実験により生じた変状調査と観測データの解析結果より、試験舗装帯における液状化現象の発生について考察する。 |